Brainstorming in Ehime 第一回

Last updated 2002-11-04


目的

Brainstorming in Ehime は、雑誌を通して十分伝えることの出来なかった部分や、これから挑戦する新しいテーマについて、読者の方々と直接ディスカッションしあう事を目的として設けました。この会は、私が一方的に講義するためのものではありません。専門学校の学生さんや、プログラマー、エンジニア、医師(?)、うどん屋さん(??)、など様々の分野の人達が集まることで、新しい発想や物の見方が生まれることを期待しています。同じ場所に集い、同じテーマに基づき、それぞれの立場で最大限に頭を働かせ、知識を交換し合う。これが Brainstorm です。

第一回 2002 年8月10日土曜日 in テクノプラザ愛媛 (募集文)

記念すべき第一回の参加者は私も含め総勢6人でした。遠くは宮崎、名古屋、香川から駆けつけてくださり、うち「2人は日帰り」という強者揃いです。行きも帰りも夜行フェリーで来られた宮崎の吉岡さん、お疲れさまでした。

天気にも恵まれ快晴の中、午前10時スタート。午前中は Inferno 談義や「ロボットを作ろう!」で大変盛り上がりました。この時点で既に、「マイクロマウスに Inferno を搭載」という学習テーマが決定。冬休みには、新居浜工業高等専門学校の池田さんがロボット製作講師を務めることになりました。

短い昼食の後、いよいよ講義開始です。当初私は3時間ぐらいかけてGCCプログラミング工房第10回の内容をじっくり解説する予定でした。ところが・・。

午前中の談笑を通じて、参加者の皆さんが機械語やハードウェア操作に対して、並々なら学習意欲を抱いておられることをひしひしと感じた私は、「仮想機械という抽象的なお話では、この人達は納得して帰ってくれそうもない」と判断。急遽予定を変更して、いきなりハードウェア操作およびハンドアセンブルについて解説することにしました。

ここで当日の朝6時から仕込んでおいた、6人分の DOS ブートディスクが、大活躍します。これは、ただのブートディスクに SYMDEB.EXE だけを放り込んだものですが、以後延々7時間に渡って6人全員を興奮のるつぼに誘い込むことになるとは・・(6人という箇所がミソです、つまり私自身も大興奮してしまったという訳)。

ノンストップ7時間の間に一体6人に何が起きたのか?私が書くよりも先に、超優秀な生徒さん達が、詳細なレポートを作成してくださいました。気になる方は、どうぞ以下の傑作ページをご覧ください。このまま原稿にできるほどの完成度です!

吉田さんのページ

高原さんのページ

以下、ミーティング終了後に皆で交わしたメールの抜粋です。

私の感想メール

西田@先ほどまで爆睡中、です。昨日はお疲れさまでした。本当に「熱い」一日でしたね。日帰り部隊の吉岡さん、吉田さん、ご苦労様です。吉岡さん、無事宮崎に到着されましたでしょうか?高原さんも、わざわざ宿泊までして頂き恐縮です。できれば講義の後は、みんなでゆっくり温泉でも入っておいしいものを食べたかったですね・・、残念です。次回からは、「泊まり込み合宿」にせにゃならんなと、反省致しました。

内容は正直申しまして、私の予想を遙かに越える内容になりました。まさか SYMDEB であそこまで遊べるとは、私自身考えていなかったですし、一人の脱落者も出ることなく、全員でゴールをくぐる事が出来たことには驚かされました。「これは octopus、いらんかったかなぁ・・」と、帰りの車中で後悔することしきり。また昨日、「参加を逃してしまったので、是非とも内容を公開してください」とのメールがありました。一応、簡単にまとめるつもりですが、皆さんもよろしければ自分なりのレポートをWeb上に書いて頂くと、頭の整理と良い文章トレーニングになるのではないかと思います。出来上がりましたら、skyfree.org からリンクを張らせて頂きますのでご連絡ください。

で、次のテーマですが6人の心の中は「マイクロマウスと Inferno」でつながってますよね。私もワクワクしてきました。どういう方法を取れば、最短距離で山を登り切ることができるか、色々調べた上で考えてみます。今回、6人用の簡易メーリングリストを作りましたので、当面このリスト上で情報交換致しましょう。

楽しい一日をありがとうございました。今日窓の外に見える景色は、昨日とは違う感じがします。これまで孤軍奮闘してきた訳ですが、「仲間」が出来るというのは素晴らしいですね。第一回 Brainstorming in Ehime、大成功だったと喜んでいます。皆様、どうか今後ともよろしくお願い致します。

皆さんの感想

吉田です。本日は有意義な時間をありがとうございました。久しぶりに熱い一日でした。マイクロマウスに inferno を乗っけて新たなロボコン種目として世に問いたいですね。その準備として inferno のカーネルやコンパイラのソースを読んでみたいと思います。今日教わった MS-DOS SYMDEB での開発方法は、文書化してホームページに置きたいと思います。

池田です。本日は大変お世話になりました。(もう日が変わってますね。)
アセンブラ&機械語でいろいろ遊べてとても楽しい一日でした。
この会にお誘い頂けたことを感謝致します。

(高原さん) 本当に8/10は猛烈な一日でしたね。ハードウェアを直にいじるということがいわゆるプログラミングの入門書を何冊読むよりもはるかにコンピュータへの理解を深めることができるということを改めて実感しました。現在はWindowsにしろUNIXにしろプロテクトモードでがっちり固められた環境でしかプログラミングの勉強ができないので、ハードをいじろうとするとデバイスドライバを書くしかなく、初心者には大変ハードルが高いものでした。ところがリアルモードで動くDOS環境ならば昔ながらの方法でいとも簡単にハード操作を勉強できるというのはまさにこれこそ「温古知新」ですね。

吉岡です。無事宮崎につきました。8時に終って、家に着いたのが朝の6時でした。symdebな時間より移動時間が多くなり、少し損した気分になったのは、多分私だけでしょう。すでに、次回は泊まり込みを想定した話しになりつつあるようなのでその時に挽回することにします。早速、例のフロッピーをddしてbochsしてます。これだと途中で止っても直にリセットできますから。当り前ですけど、bochsで0xb800をいじっても文字がブリンクしたり色がつきます。すごいですね。感動と衝撃が入り交じって複雑な心境です。少し感想も書きたいのですが、皆さん色々と考えているようなので下手なことかけません(笑)少し自分なりに整理します。早いうちにフィードバックしますので暫くお待ちください。今回のような機会を与えてくれた、西田先生と皆様に感謝しています。

(大野さん) 先日はみなさんおつかれさまでした。あこがれの"古きよきDOS"に触れることができて感動でした。"アセンブラでハードを操作する"なんて、講義の前では「??」だったことがVRAMに直接キャラクタを置いて表示させたり、ビープを鳴らしたりする度に「!!」に変わって、感動の連続でした。午前中のInferno談義やマイクロマウス議論も楽しかったですね。似たもの同志(?)でワイワイ盛り上がれたのがとてもよかったです。今回の機会を設けてくださった西田さんには大変感謝しています。

次回は?

第二回開催については未定ですが、現在メーリングリストを通じて、次のテーマのための資料集めやディスカッションが怒濤の如く続いています。今から第二回を予約しておきたいという奇特な方、もしくは勉強会メーリングリストに参加したいという方は、プロフィールを添えて brainstorm@skyfree.org までご連絡ください。

平成14年8月14日

西田 亙 (NISHIDA Wataru)


Your SysOp is Wataru Nishida , M.D., Ph.D.