GCCプログラミング工房・著者からのメッセージ
Last updated Sat, Jan 10, 2004

2003/6/8 2003年初夏、新しき挑戦

まず最初に、ここのところ本業と執筆活動に追われ、Webの更新が遅れていることをお詫び申し上げます。おかげさまで連載は快調に進み、応援のメールもたくさん頂いています。日頃のご支援に、心より感謝致します。

 さて、私がコンピューター誌デビュー以来お世話になっている渡辺氏が、この6月からUNIX USER編集長に就任され、GCCプログラミング工房はよりパワフルに生まれ変わろうとしています。ダメもとで持ちかけたGAMEBOYの企画があっさりパスし、なんと3回連続特別企画という形で日の目を見ることになりました。

 良き理解者を得て、これまで暖めてきたテーマの数々を、皆さんにお届けすることができそうです。「まだかまだか」と、催促を頂き続けている書籍化の件も含め、二人三脚でご期待に添えるよう精一杯努力致します。今後とも、ご支援の程よろしくお願い申し上げます。

2002/12/24 GCCプログラミング工房読者の皆様へ

第14回はページ数が一挙に増えて16ページでお届けすることになりました。12回から続く今回のシリーズは、キーボードプログラミングに関するリファレンス記事として、恥ずかしくない内容に仕上がったのではないかと思います。これまで Linux カーネルのキーボードドライバー解読に挑戦してきた人達は数知れないことでしょうが、入り口付近で行き詰まってしまった人も多いことと思います。キーボードに関する詳細な技術解説は、これまで国内外を問わずほとんど公開されていないため、仕方がありません。しかし、ひと度キーボードをハードウェアレベルから理解してしまうと、思いの外簡単にキーボードドライバーの全体像が見えてくるのですから不思議です。来年も引き続き「基本技術の理解」を念頭におきながら、執筆活動に励みたいと思います。どうかご支援のほど、よろしくお願い致します。

2002/11/11 GCCプログラミング工房読者の皆様へ

第13回では、かねてからの夢であった「FreeDOS の紹介」がようやく叶いました。GNU 開発ツールをリアルモード 8086 プログラミングに応用することで、DOS と PC-UNIX 間の橋渡しが出来たように思いますが、いかがでしょうか?現代日本にもはや DOS の活躍する場は残っていないように思われがちですが、私は少なくとも「教育」という場では、まだまだ現役として知的好奇心に溢れたプログラマーのナビゲーター役を担ってくれるものと信じています。今後も連載記事中で PC-UNIX と DOS の世界を行き来しながら、PC-AT の最深部をご紹介する予定です。

2002/09/26 GCCプログラミング工房読者の皆様へ

第10回から始まりました、GCCプログラミング工房「第二部」。しばらく Making of Linux シリーズが続いていましたので、「急に内容が簡単になった!」と感じられた読者の方も多いようです。

これまでは全てソフトウェアが対象でしたから、今ひとつ「手応え」がなかったかもしれません。しかし、スピーカーやキーボード、VRAMの操作は、全て「反応」が聞こえたり目に見える形で直接返ってきます。私は根が単純なので、音や光が出ると素直に喜んでしまうのですが、皆さんはいかがですか?octopus を通じて、精一杯ハードウェアと戯れて頂ければと思います。

さて、私の頭の中では既にGCCプログラミング工房「第三部」が進行中です。これに加えて、AVR マイクロコントローラーを中心としたハードウェア工房も近々Web上で始動します。20年前、学生時代に叶わなかった夢を、現代の PC-UNIX 環境と安価で高性能な電子部品を用いて実現させたいと考えています。

2002/10/09 祝:GCCプログラミング工房連載一周年!

11月号をもって、GCC プログラミング工房は無事連載一年目を終えることが出来ました。ここまで支持してくださいました読者の皆様に、心より感謝申し上げます。連載開始前、UNIX USER に持ち込んだ企画内容には自信がありました。しかしながら、果たしてこの内容で読者の支持を得ることができるのかどうか?これは全く見当も付きませんでした。不安を抱えながら最初の数ヶ月を過ごしたことを、今でもよく覚えています。

連載開始数ヶ月後、編集部から「反響は良い」という簡素な連絡を頂いたものの、私としては今ひとつ実感が湧きません。そのうち、半年を過ぎた頃から直接電子メールが届くようになったのですが、これでやっと安堵感に浸れたものです。

プロフィールにも書いている通り、私は決してこの道の達人ではありませんし、はっきり言えば門外漢です。浪人時代に PC-8001 を触り始めて早20年。コンピューターに関する知識はすべて独学で身につけたものですが、「人十倍」回り道をして来たように思います。学生時代は広島、愛媛で過ごしましたので、地方在住の劣等感に悩まされたこともありました。また、つい数年前までは DOS と PC-UNIX のギャップを乗り越えることができず、もがき苦しんでもいました。

そういう、ごく普通のパソコンオタク(おじさん?)が、なぜ UNIX USER や Interface 誌で執筆できるまでになったのでしょうか?自分で振り返って考えてみると、これは恐らく20年の長きに渡り「わからん、わからん」とストレスを持ち続けたことが幸いしているのだと思います。

私の目には、世の中の教科書や雑誌記事の著者、そしてその読者の多くは「偉い方が多い」と映っています。その理由は単純で、私が読んでも「わからない」からです。10冊書籍を買い込んだところで、ほとんどの場合問題は解決せず、自分独自に調べ上げていくしかないことを、これまで数え切れないほど体験してきました。

やがて知識が積み重ねられていくと、今度は「なぜこれ程大事なことを誰も書かないのだ?」、「世の中の教科書は一体どうなっとるのだ!」、というストレスが新たに発生することになりました(これはプログラミングに限らず、私の本業である医学生物学でも全く同じ状況でしたが)。

GCC プログラミング工房はそのストレスが極期に達した昨年、誕生しました。1年の連載を通じて、読者の皆さんと共に私自身の視界も大きく広がりましたが、新たに「わからない」点も噴出しています。また、魅力的な険しい山々も視界に入って来ました。幸か不幸か、このイタチごっこはしばらく終わりそうにありません。

今後も、「ストレス」が続く限り、独自の切り口でシステムプログラミングの楽しさ、素晴らしさ、奥深さをご紹介できればと思います。

最後に、無名の私の企画を取り上げ、ここまでサポートしてくださった UNIX USER 編集部の皆様に、心より感謝致します。編集担当の渡辺さんには特にお世話になりました。私は好奇心旺盛のため、ともすればテーマが散漫になりがちなのですが、いつも絶妙な手綱さばきで方向性をコントロールして頂いています。また、記事中で重要な位置を占める数々の図も、私の原稿から編集・デザイナーの方々の手を経て、美しく分かりやすい形に進化しています。今後ともサポートの程、どうかよろしくお願い致します。


Your SysOp is Wataru Nishida , M.D., Ph.D.